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はじめに小中一貫教育ありき!? ー池田市総合計画審議会を傍聴してー

 09.11.25 
 池田市は2011(平成23)年度から始まる第6期池田市総合計画の策定に向け、分野別に審議会を開いており、16日の「福祉・教育」部会を傍聴してきました。その日の議題は「学校教育の充実」と「学校・家庭・地域をつなぐ地域教育の振興」についてです。
 審議委員は大学の先生、PTA協議会の前会長、社会福祉法人の理事長、現役の大学生などに教育長、副市長を加えた計9人。各委員の質問に理事者側(今回は教育委員会)が答える形で議論が進みました。
 議論の大きな焦点になったのは小中一貫教育。市は9年間をスパンとする教育を市全体で取り組みたいというわけです。具体的にはその形態としては、施設一体型と連携型を想定しており、前者は小学校と中学校を一箇所に集めるもの、後者は小中の先生の交流、連携を進めるというものであるとのことでした。
 委員の質問に教育委員会側からは「9年制で問題児に対策できる」「わかる授業も小中一貫で」といった答弁が続きました。現在の教育の矛盾は全て6・3制にあり、これらは小中一貫教育で解決できる、と考えておられるようです。 
 また、委員から児童数の変化を聞かれ、「伏尾台、細河、石橋、石橋南の小学校は生徒数が減少気味である」との答弁の後に「一学年単数クラスはしんどいので、小中一貫教育で解決したい」と学校統廃合を示唆するような発言もありました。
 質疑を聞いていて問題だと思ったのは、市の「始めに小中一貫ありき」の姿勢。例えば「単数クラスはしんどい」のであるならば、この機に少人数学級を拡充してきめ細かい教育を進めるなど、他の対応策はいくらでも考えられるでしょうし、連携型の目的が教員の交流であるならば、ことさらに一貫教育といわずとも、教育委員会内での機構改革などで対応できるのではないでしょうか。
 市がどうしても小中一貫教育を進めたいのならば、6・3制の導入された経緯、その長所と短所を十分検討したうえで、現在の教育問題を解決するために小中一貫教育がより有効であることを科学的に筋道立てて話す責任があります。ことは子どもの未来に関わることですから、「小中一貫教育=打ち出の小槌」みたいな話だけでは、市民は納得できません。
 審議委員から「(小中一貫は)型ありき、になっている。現場のニーズに目をむけよ」との苦言が呈されたのは当然です。 
 さらに大きな問題は、10人余の審議委員で10年間の池田の教育の未来を決する総合計画が審議されていること。市民から選ばれた多くの審議委員が、自主的に学習会などを開催しながら総合計画を作成していっている東京都狛江市などにも学び、審議会の市民参加を抜本的に強めるべきです。市は常々「おまかせ民主主義から脱却せよ」と市民の自主的な政治参加を説かれているのですから…。

by takeshi_yamagen | 2009-11-25 01:00 | 園芸高校と総合計画  

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