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「神話」の国、日本―

 11.6.19
 今朝、あるニュース番組が「日本人と神話」という特集を組んでいました。
 日本は戦争に負けないという不敗神話、原発は事故をおこさないという安全神話、日本経済は常に右肩あがりという成長神話等々、日本人はいろいろな神話をつくってきたというのです。そう言えばアメリカが日本を守ってくれるという神話もありますね。
 どれもその内容に一抹の不安(胡散臭さといっていいかも知れません)を感じつつも日本国民は信じていた、いや信じようとしてきたというのです。さらにその背景には、「最悪を考えない」日本人の無常観があると番組は分析していました。
 確かに、地震、津波、水害、飢饉と、幾多の災害に襲われ打ちひしがれてきた日本人が、そのやり場のない感情を無常観に託してきた側面はあると思います。
 しかし、私たちが忘れてはならないことは、上記の各神話とも、もとはといえば軍部や政府、電力会社などがつくり、国民におしつけてきたものだということ。そもそも、古事記、日本書紀に記されたいわゆる「日本神話」からして、古代の律令政権が国内統合のために二次的につくったもので、民族の起源譚を語る本来の神話とは異質のものです。
 いずれにせよ「日本人は神話好き」という「神話」を払拭し、真実を見る目を養わなければ、それこそ国の存亡にかかわる事態にもなりかねないことを、福島原発の事故は教えているのではないでしょうか。

by takeshi_yamagen | 2011-06-19 23:42  

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