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再び歴史教科書について④ 仁徳天皇陵、帰化人、大和朝廷…

 11.8.28
 堺市にある日本最大の古墳が仁徳天皇の墓だとは学問的に実証されていません(仁徳天皇の実在すら疑う研究もあります)。ですから研究者の皆さんも専ら地元の呼称である大仙古墳を使い、仁徳天皇を使う場合も「仁徳天皇陵」古墳とカッコ付きにしたり、伝仁徳天皇陵古墳と但し書きを付けるなどの配慮をしているのですが、自由社の「教科書」では仁徳天皇陵と記述しています(カッコ付きで大仙古墳としていますが…)。
 さらに帰化人、大和朝廷など、詳しくは述べませんが、様々な理由から今ではほとんど学問的に使わなくなった言葉が堂々と使われているのも異様です(ちなみに今回採用された日本文教出版本は各々大仙(仁徳陵)古墳、渡来人、ヤマト王権と記述しています)。
 そんなこんなで、やはりこの本は恣意的のそしりは免れず、学校現場に持ち込んではいけないと改めて思った次第。
 まぁ、教科書としては全く失格ですが、いかに要領よく「ここがポイント」とばかりにその内容を学問的に反論できるか、反面教師として研究者の皆さんとともにせいぜい使わせてもらいたいと思います。

by takeshi_yamagen | 2011-08-28 22:42 | 歴 史 夜 話  

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