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死にざまについて① 百の励ましよりも…

 13.5.4
 最近、柄にもなく死について考えるようになりました。
 昨春北陸に住む35年の近しい友が癌で逝ってしまったことがそもそものきっかけです。
 突然の訃報が届いた去年の今頃、悲しさ、悔しさ、怒りの念が入り混じり、精神の安定を著しく欠く中、私がまず行なったことは友と交わした言葉―とりわけ人生や将来について交わした言葉―を懸命に探し出すこと。そして辿り着いたのが、一昨年の春、夕闇迫る金沢駅で別れる際に交わした「一度しかない人生、身体にだけは気をつけて楽しく悔いなく過ごそう」の言葉。それが友と私の最後の「公約」―、守らなければ私は公約違反のそしりを免れません。
 翻って考えたこと―、それは阪神淡路大震災や東日本大震災などの自然災害や事故で大切な人を一瞬にして失った直後の人に対して、どんなに明るい話題を提供しても、どれだけ「がんばれ」の声をかけてもその心にはなにも届かない。百の励ましの言葉よりそって手を握って、まずはじっくり大切な人との思い出をうんうんとうなずきながら聞いてあげる、そしてその一つ一つから残された者が今後を生きるよすがとなる故人とかわした言葉をさりげなく見つけてあげることが必要だということ。
 私の経験がどこまで一般化できるかはわかりませんが、少なくとも私はそうしてほしかったし、そうしてくれた仲間がいたことをうれしく思っています。

by takeshi_yamagen | 2013-05-04 12:53 | 山元のすべらない話  

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