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越谷オサムを読む ―「陽だまりの彼女」と「金曜のバカ」―

 16.7.16
 火花散らしまくりの選挙話が続いたので今回は軽めの読書話にお付き合いを。
 映画と原作、見てから読むか読んでから見るか―、時々議論になることがあります。順番こそ無頓着ですが、映画を見て改めて原作者を評価したり、原作をさらに引き立たせる映画監督や脚本家の腕に感心したりと、この一粒で二度おいしい二本立て作戦、私もよく敢行します(まぁ、ごくまれに二度失望することもありますが…)。
 先日先に映像を見てしまった「陽だまりの彼女」(新潮文庫)は必然的に「見てから読む」パターンになってしまいました。当然と言えば当然ですがあらすじは映画とほぼ同じ。しかし原作のほうがミステリー度が、映画のほうがハッピーエンド度とファンタジー度が各々高くなっていて、その微妙な温度差のシャワーを楽しめました。
 ところで「陽だまりの彼女」を買った際に「同じ作者だからついでに買っとこう」と購入したのが越谷オサムさんの短編集「金曜のバカ」(角川文庫)です。
 その登場人物の多くは、まぁ女の子と懇ろになることしか考えていない、おバカで間抜けでとんでもない男子中学生・高校生たち。彼らが、似非恋愛、デートもどきの経験を通じて、世の中おバカで間抜けでとんでもないことばかりじゃないことに気付いていくのが、なんとも微笑ましいというか、かわいいというか、健気というか、切ないっていうか…。男の子が大人になっていく時に避けて通れない「通過儀礼」をぜぇーんぶ詰め込んだみたいな本です。どうしようもなくおバカで間抜けでとんでもなかった私が言うんだから間違いない!?(5/7付ブログ参照)

by takeshi_yamagen | 2016-07-16 14:39 | 積ん読・乱読・熟読日記  

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