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権力はこうやって国民の良心を蝕んでいくのか ―アンジェイ・ワイダ「残像」をみて―

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 先日ポーランド社会の矛盾を鋭くえぐってきた巨匠アンジェイ・ワイダ監督(1926~2016)の遺作「残像」を見てきました。スターリン影響下にある1950年代初頭のポーランドで芸術家の良心を守りぬいた実在の画家ストゥシェミンスキの晩年を描いた作品です。大きく盛り上がるシーンなどは意図的に排しながら、芸術家協会除名、食料券の給付停止等々、彼が追い詰められていく過程を淡々とかつ丁寧に描くことによって、ワイダ監督は権力の陰湿さ、不気味さを浮かび上がらせたかったのではないでしょうか。当時のポーランド社会の息遣いが聞こえてくるようでした。
 アンジェイ・ワイダという名前はもちろん知っていたのですが、その作品を見る機会に今まで恵まれず、遺作でやっと接点を持つことができた形です。
 ところで自らに従わないもの、裏切ったものは切り捨て徹底的に圧力を加える―、どこかの国の首相と官房長官が思い出されますね。

by takeshi_yamagen | 2017-07-06 18:33 | 銀 幕 日 記  

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