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10円玉が泣いている ―初春の宇治平等院を訪ねて―

 08.1.3
10円玉が泣いている ―初春の宇治平等院を訪ねて―_c0133503_12423047.gif あけましておめでとうございます
 お正月はいかがお過ごしでしょうか。
 私は、正月一日は、午前は市内各所で議員団の宣伝、午後は実父母と過ごし、二日は妻、息子、義父母と京都府宇治市の平等院と萬福寺に行ってきました。
 平等院鳳凰堂内部では、千年にわたり保たれてきた藤原頼道に始まる人々の極楽往生を求める「場の空気」に触れ、そのすぐ脇に建てられた博物館「鳳翔館」では、今とは全く違う朱塗りの創建時の姿がCGを駆使して再現されており、大変興味深いものでした。義母はさっそく財布から10円玉を取り出してその図柄と「実物」を比べていました(写真上 妻子、義母と)。
 初夢は、平等院の悪夢でした10円玉が泣いている ―初春の宇治平等院を訪ねて―_c0133503_13332840.gif
 桓武天皇の平安京に始まる京都は千年の都。しかし、京都府内に残る平安時代の建物はわずか数棟しかないことをご存知でしょうか。庭園とともに残り、しかも内部に入ることができる平安時代の建物はこの鳳凰堂だけなのです。
 鳳凰堂内部と鳳翔館を見学して、さぁ、いよいよ正面からその優美な姿をじっくり眺めようとした瞬間、私の頭は真っ白になりました。堂に向かって右側後方に2棟の高層マンションがそびえたっているではないですか(写真下)。元日の夜は夢そのものを見ず、「一富士、二鷹、三なすび、とはいかなかったけれども、まぁ、悪い夢を見なかっただけで、よしとしよう」と思っていた、その矢先に「悪夢なら醒めてくれ」と言わんばかりに打ちのめされるとは思いも寄りませんでした。「平安京の空気」も「世界文化遺産」も一気に吹っ飛んでしまいました。
 10円玉にマンションはごめんです
 いっときの人々の思惑や欲望だけで、千年間保たれてきたものが潰されるのやはり悲しいことです。マンションはどこにでも建てられるが、平安時代の景観と空気はここでしか味わえないことに、なぜもう少し思いが及ばなかったのか、と考えざるをえませんでした。せめて10円玉にマンションが描かれることだけは阻止しなければなりませんね!? 

by takeshi_yamagen | 2008-01-04 12:24 | 山元家の人々  

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