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ノーベル賞よりも…

 08.10.10
 先日、Hさんという全く存じ上げない考古学研究者の方から、私が6年前に書いた論文を評価する内容のメールをいただきました。
 日本で初めて本格的な窯で焼かれた硬い土器、須惠器が古墳時代に出現しました。その論文は、今まで須恵器が専ら畿内政権との政治的な関係で論じられてきたことに反発し?まず須恵器を焼いた工人がよりよい生産条件を求めてどう行動したかという点を考察したものです。
 一顧だにされない論文もある中、拙文を読んでいただいたのみならず、検討に値するものと認め、評価してくださったことは、本当にうれしいことです。その日は一日気分がよかったですね。
 さて、7日ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんが「(自身のノーベル賞受賞は)大してうれしくありません。…我々が言った理論が正しいとわかり、科学者としてみれば、それが一番重要でした」と発言され、少し波紋を広げましたが、私にはその気持ちよくわかります。
 研究者にとって、自説が「同業者」から相手にされ、認められた時が至福の時なのです。
 なお、件の論文は「大阪層群と須恵器生産」(『調査研究報告 第3集』 大阪府文化財センター 2002)です。抜刷りを御所望の方は差し上げますので御連絡ください。

by takeshi_yamagen | 2008-10-10 12:52 | 建声元語 ―よもやま話―  

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