山元たけしの あの日その時、そしてこれから

yamagenta.exblog.jp
ブログトップ

カテゴリ:積ん読・乱読・熟読日記( 40 )

池田先生、怠け者は怠け者なりに考えています

 18.1.22
c0133503_13585966.jpg

「先ほど不在者投票をしてきました。今回は共産党に投票しました。昔から共産党に悪口ばっかり言ってましたけどね。…共産党にいろいろ文句はあるでしょうが、とにかく今度の選挙の比例票は共産党に入れてください」
 昨年の総選挙にあたって「さんまのホンマデッカTY」レギュラーの生物学者池田清彦先生から思わぬエールをいただき感激した私、その恩義には報いなければならないと、先生の「ナマケモノはなぜ『怠け者』なのか 最新生物学の『ウソ』と『ホント』」(新潮文庫 550円)を購入、現在読了中です(そのへん意外にワタクシ律儀なんです。先生そのうちサインしてくださいね)。

 読んで驚いたのは表題にもあるナマケモノが哺乳類でありながら、外気温に応じて体温が変わる変温動物なので、外気温が下がれば体温も下がるため余計なエネルギーを使わぬようじっとしているとのくだり。まさに目からウロコ、ナマケモノは怠けることで生き抜いてきたというわけだったんです!

 これに関連してナマケモノをめぐる私のもう一つの疑問、ナマケモノは異常に頭が小さいことを解くヒントも得たように思います。昔某書で恒温動物である哺乳類は体温・エネルギー調節が必要なので変温動物である爬虫類などに比べて全体重に占める脳の割合が相対的に大きいという話を読んだことがあります。それに従うならば変温動物のナマケモノは体温・エネルギー調節の必要性が低いので大きな脳は不用で「小顔」になったと推測できるのではないでしょうか。

 池田先生、このシロウト考え、いかがでしょうか?(17/10/22ブログ参照)


[PR]
by takeshi_yamagen | 2018-01-22 14:02 | 積ん読・乱読・熟読日記

2017年秋の乱読日誌から⑤ ―くどいようですがオマケ編 積ん読万歳!―

 17.12.18

 さる事情があって二年半前に収入が大きく減り、娯楽費にお金を回すことがほとんどできなくなりました(それ以前もべつに遊び回っていたわけでは決してありませんが…)。いきおい趣味の読書も新刊書ではなく家にあるものに目がいくというのは自然の流れです。このシリーズ「2017年秋の乱読日誌から」で積ん読本が頻出した背景には山元家ののっぴきならない事情があるのです。

 そもそも読書ほどリーズナブルな趣味はありません。折しも忘年会シーズン、二三軒飲み屋さんをはしごすると数時間で少なくとも5千円前後は飛んでいくと思いますが、仮に5千円分本を読もうとするとほとんど月単位の結構な時間が必要、それだけ読書は安く長く楽しめるというわけです。しかも積ん読本については新たな出費はゼロ!まぁ540円で45年楽しんだ「吾輩は猫である」などは論外でしょうけど…。

 てなわけで「今度はなに読もかなぁ」と今日もわが家の書棚を物色している次第。最近は「読みもせんのに、また本買(こ)うてきて」と妻がぼやくこともなく、積ん読本読破は夫婦円満にも一役買っているようです。

 ところで巷では吉野源三郎さんの「君たちはどう生きるか」の漫画版が評判を呼んでいるようですが、実はこの本(岩波文庫版)も私の積ん読リストに入っています。意を決して読破しようと思っているのですが、どこにしまいこんだかなぁ。まずは「発掘調査」が必要です。





[PR]
by takeshi_yamagen | 2017-12-18 07:41 | 積ん読・乱読・熟読日記

2017年秋の乱読日誌から④ ―番 外 編―

c0133503_08570984.jpg
c0133503_08581566.jpg
 17.12.14

 あまり新聞小説は読まないほうですが、今「しんぶん赤旗」日刊紙に掲載中の山崎ナオコーラさんの「趣味で腹いっぱい」は面白くて結構はまっています。ことのついでというわけで、あまりにガチなタイトルにちょいと怯み、これまた長らく積ん読状態にあった山崎さんのデビュー作「人のセックスを笑うな」(河出文庫)も一気に読了。

 前者は本業の傍らに行う副業、後者は教師と生徒の年の差恋愛、不倫と結構きわどい、ことによってはドロドロした展開にもなってもおかしくないテーマを扱っているのですが、山崎さんにかかるとふわふわしたなんとも暖かい話に仕上がっていきます。ストーリーから生じる不道徳、不義、不穏等々、マイナスイメージがつきまとう言葉を甘い砂糖と溶けあわせたマショマロでくるみこんでしまったような感じかな。

 山崎ナオコーラ―、掴みどころに少々苦労する、不思議な作家さんです。


 さて、旧知の漫画好きのY君、これまで「これおもしろいから読んでみて」と「ワンピース」「ハンターハンター」「進撃の巨人」と様々な作品を薦めてくれたのですが、どれも読む気がおこりませんでした。思うにどれも時代・地理的背景がはっきりしないのが理由かと…。いつのどこのことかようわからん話はしんどいというわけです。

 それでもめげずに彼が今度紹介してくれたのが「キングダム」(原泰久 集英社)。こちらは中国戦国時代の秦のお話と時代も場所もはっきりしていて、ストーリー展開もおもしろそう。暇を見つけて読みすすめています。「また感想聞かせて」と今度ばかりはY君も満足げです。








[PR]
by takeshi_yamagen | 2017-12-14 08:59 | 積ん読・乱読・熟読日記

2017年秋の乱読日誌から③ ―吾輩はエコである―

c0133503_14171417.jpg

 17.12.11
 先日夏目漱石の名著「吾輩は猫である」を読破しました。
 
名前のない猫「吾輩」が人間社会を客観的、批判的に観察するその内容についてはすでにみなさんご存知のとおりなのでここでは触れません。
 私が少し驚いたことは、小説とはいえ、主な舞台となる主人の苦沙弥(くしゃみ)先生の家に、まぁ実に入れ代わり立ち代わり客人が訪れること。よく考えてみると電話が普及せずもちろんメールもない明治期、手紙を出すほどでもないでもないご近所さんに用事を伝える時は訪問するしかなかったわけです。また作中に「ご一新以後」や天璋院様(13代将軍徳川家定の奥方篤姫)などの言葉が出てきたことも印象に残りました。今、私たちが昭和を懐かしむような感覚で当時(明治38年)の人は江戸時代を語っていたようですね。
 ところでこのハードカバーのポプラ社刊の「吾輩は猫である」、小学生の頃その奇をてらった作品名に興味を覚えて買ったものの、さすがに当時は難解すぎて「なんで妻が『細君』やねん!嫁さんて言えんか!」と逆切れして読書放棄、その後中高時代は「純文学の作品名は『暗夜行路』や『人間失格』みたいに漢字を並べるものだ。こんなふざけた名前の本が読めるか!」と今度は上から目線で逆切れして再び読書放棄、その後本棚から聞こえる漱石先生の「はよ読めぇ」の声に苛まれ続け、今回やっと積ん読解放となった次第です。
 なお同書の奥付けを見ると「1972540円」とあります。わずか540円(当然消費税なし)で45年間もお付き合いできたわけで、こんな経済的(エコノミカル)な本はありません。


[PR]
by takeshi_yamagen | 2017-12-11 14:20 | 積ん読・乱読・熟読日記

2017年秋の乱読日誌から② ―現代小説編―

 17.12.10

 教養書に続いて現代小説編。

「告白」(湊かなえ 双葉文庫)

 積ん読解消で手にとった本。娘を教え子に殺された教師の復讐劇なのですが、「こう来るか!」と思わず唸ってしまったコワ~いラストが待っています。疲れている時にはお読みにならないほうがいいかも…。

「夜想曲集」(カズオ・イシグロ 早川書房) 

「長編はしんどそうや」と思ってまず手にとった今年のノーベル文学賞受賞作家の短編集。結論から言うと前半2編を読んだところで挫折しました。欧米セレブの恋愛物語に感情移入するにはちょっと無理があったようです。


[PR]
by takeshi_yamagen | 2017-12-10 20:03 | 積ん読・乱読・熟読日記

2017年秋の乱読日誌から① ―教養書編―

c0133503_09383201.jpg 17.12.6
 読書の秋が終わりました。この間読んだ本の中から印象に残った本をいくつかご紹介。
「死ぬほど読書」(丹羽宇一郎 幻冬舎文庫)
 著者の丹羽さんは伊藤忠商事社長などを歴任された、まぁ私たちとは直接縁がない世界で活躍されてきた方です。そんな丹羽さんが赤旗日刊紙に登場(10月17日付)、「世界を屈服させる国ではなく世界が感服する国であれ」と主張されたことに驚いて、「いったいどんな人だろう」と書店で目についた著書を思わず衝動買い。「積ん読はするな」など意見が一致しない点もありましたが、そこは同じ「本大好き」人間の私、思わずうんうんうなずいて「同志愛」を育みながら最後まで読んでしまいました。c0133503_09390919.jpg
「能 650年続いた仕掛けとは」(安田登 新潮新書)
 能に関する「目からウロコ」満載の本。特に世阿弥によって能は受動的に「みられる」ものから主体的に「みせる」ものになり、その伝統を守るうえで家元制度が最適だったとの指摘は重要。芸能者の地位向上を勝ち取りその権利を守る組織までつくったわけで、なんか世阿弥さんが有能な労働組合委員長に思えてきました。
「日本語(上)」(金田一春彦 岩波新書)
 テレビでお馴染みの国語学者金田一秀穂さんのお父様が著された日本語をその起源、リズム、語彙、語彙の特徴などを多言語と比較してあらゆる面から考察した本。
 例えば言葉の性差。日本語は女言葉と男言葉が発達しているため、会話文が続いても誰の発言かおおよそ察しがつくことを「あるフランスの作家が日本の作家たちをうらやましがった」という谷崎潤一郎のエピソードも交えて指摘しています。
 またあれほど名詞の単数・複数形のやかましい英語に疑問文の複数形のないとの指摘も興味深く感じました。日本語の「誰」「誰々」は英語ではすべてwho、「どこ」「どこそこ」はすべてwhereというわけです。
 日本語って奥が深いですね。


[PR]
by takeshi_yamagen | 2017-12-06 09:44 | 積ん読・乱読・熟読日記

あなたの傍に生まれ変わる―、何度でも、何度でも…、 ―佐藤正午「月の満ち欠け」を読んで― 

 17.8.30
 佐藤正午さんの直木賞受賞作「月の満ち欠け」を昨日書いた缶貯金の一部を使って購入。なんか心に引っかかって「早く読みたいなぁ」と思っていた本で、一気に読了しました。ちなみに直木賞を取った作品を文庫本ではなく単行本で買ったのは宮本輝さんの「蛍川」を高校時代に買って以来40年ぶりのこと(結構文学的にはマセガキだったようです)。
 愛するあなたをこの世に残して逝った人間は、もう一度逢いたくて、秘密を話したくて、声を聞きたくて、あなたの傍に生まれ変わる、そしてシグナルを送る―、何度でも、何度でも、月が満ちて、欠けるように…。
 絶対にありえない話です。「でも、ちょっと待てよ…」と思い当たる経験が誰にも一つや二つあるのではないか、と思わしめる小説です。実は私にも秘密を仄めかしながら、そしてささやかな希望を語りながら「85歳でまた会おう」という言葉を残して逝ってしまった友がいます。年老いてからふっと傍らに会いに来てくれるのでしょうか。
 作者の佐藤正午さんは「作家の力量は嘘を本当に見せること」(「しんぶん赤旗」17/8/28付)と話しておられますが、さらに進んで佐藤さんは「嘘を心地よく信じさせること」に成功しているのではないでしょうか。それは希望と救いに繋がっていく嘘でもあります。
[PR]
by takeshi_yamagen | 2017-08-30 13:03 | 積ん読・乱読・熟読日記

君の膵臓をたべた君の意見が聞きたい

 17.5.30
 うちの一人息子、自身の感動した本を「お父さんもこれ読んどき」と、時々強く推薦してきます。
 そんな息子の最近のオススメ本が「君の膵臓をたべたい」(住野よる著)。
 膵臓の病気で余命幾ばくもない女子高校生と偶然そのことを知ってしまった主人公(男子高校生)のおよそ四ヶ月の交流を描いた物語です。読後息子に「おもしろかったけど、あなたのいうような号泣まではいかなかった。小説には読むタイミングちゅーもんがあって、お父さんが高校時代にこの小説があって読んでたらもっと感動したかも知れないな」と感想を述べました。ロッテに恋焦がれる若きウエルテルの悩みを今知ったところで感情移入できないのと同じです。
 また亡くなった彼女の友人と主人公とのやりとりからなる最終章は、作者の意図はわかるけど、「付け足し」感は否めません。まぁそう言うと「あそこが大事なとこ。読みが浅いわ」と反撃されるんでしょうね。
[PR]
by takeshi_yamagen | 2017-05-30 13:44 | 積ん読・乱読・熟読日記

2016 廃書の秋

 16.11.18
 前回は手に入れた本の話でしたが、今回は手放す本の話です。
 来年早々にも衆院選挙が囁かれる中、今しかないとばかりと11月は部屋の掃除と片付けに精を出しております。
「書庫」も満杯状態で泣く泣くいくばくかの書籍は廃品回収業者に出して処分することにしました(以前あまりの買い取り価格の安さにショックを受け、それが今でもトラウマになって古書店に持って行くのはなんとなくためらわれるのです)。その中には2009年に亡くなった母和子が愛読していた向田邦子、有吉佐和子、田辺聖子、澤地久枝、佐藤愛子、岸田劉子など女流作家の著書計20~30冊もあります(例外的に筒井康隆の本がありますがそれは母と筒井氏が大阪市立東中学の同級生であったことによるものです)。これらの作家のみなさんには恨みはもちろんありませんが、今後の私の人生の限られた読書時間を考えると、仮に読むことがあってもその順位は限りなく遅くなるであろうと考えての決断です。
 ところがその母の蔵書のいくつかの最終ページに購入年月日と思われる日付やkazukoのサインがあるのを発見し、またその決断が揺らいでいます。
 感動の度合いはいろいろでも、どの本も私や家族の頭のこやしにいくばくなりともなってきてくれたわけで、手放すのは本当に心苦しいものがあります。
[PR]
by takeshi_yamagen | 2016-11-18 11:58 | 積ん読・乱読・熟読日記

2016 読書の秋

 16.11.16
 久しく積ん読状態だった「海辺のカフカ」。再び村上春樹さんがノーベル賞候補になったことを機に先日一気に読了しました。複数の伏線の話が最後に一点に集中する展開―、今まで読んだ村上さんの著書(といってもデビュー作「風の音を聴け」と「ノルウェイの森」、あと若干の短編しか読んでませんが…)の中では一番ページがすすんだものの、やっぱり「わかるようで、わからん…」というのが率直な読後感です。ハルキストへの道、未だハルカなり。
 さてよく読書感想を交換する仲間にAさんとその娘さん親子がおられます。
 先日その娘さんと手紙形式の小説に話題が及んだとき紹介されたのが、宮本輝「錦繍」。猟奇的な事件にまきこまれ、愛しながら別れた二人の手紙のやりとりからなる作品。実はこの作品、宮本ファンの間でも好き嫌いが分かれるとのことです。確かに許容できる倫理観の程度によって評価は分かれるだろうなと思った次第。まぁハッピーエンドでめでたしめでたしでしたが…。
 そしてお父さんのAさんから「山元君、国政選挙出るんやったら読んどき」と薦められたのが、「バーニー・サンダース自叙伝」(大月書店)。そう、アメリカ大統領選挙で民主党の指名をクリントンと最後まで争ったあのサンダースさんの本です。これはただいま読破中。
[PR]
by takeshi_yamagen | 2016-11-16 15:32 | 積ん読・乱読・熟読日記