三たび、篤姫

 08.12.26
 NHK大河ドラマ「篤姫」が終わりました。
 妻が「7日は(大奥からの)お引越し、14日(最終回)は死別ばっかりやったなぁ」と言うぐらい、落ち着いた?終結。盛り上がりを期待していた向きには少々物足りなかったかもしれませんが、まぁ、こういう締め方も余韻を楽しめていいかもしれません。
 ところで、私が「篤姫」最終盤を見て感じたことをいくつか。
 まず、江戸攻撃か無血開城かが話し合われた西郷隆盛と勝海舟の会談で、西郷が元薩摩藩主の手紙を見て、泣き崩れ、無血開城に応じたシーン。最後まで民衆ではなく、あくまでも藩を基盤とせざるを得なかった西郷など草莽の志士たちの限界を象徴しており、明治新政府が封建的な地主・小作制度に基盤をおくこととなるのを図らずも暗示していたように私には思えました。
 このように幕末維新の変革は、決して革命と言えるものではなかったのですが、実際に幕藩体制を倒した原動力が農民・都市住民の戦いにあったことは事実。それは幕末の1866(慶応2)年が江戸時代265年の中で最も百姓一揆・打ちこわしが多かった年であることからも窺い知ることができます。そんな事情は幕府の能吏であった勝海舟などは十分知っていて、その対応には彼なりに苦慮していたであろうし、大奥にも情報の一端は届いていたことでしょう。しかし、そんな民衆の姿は全くドラマでは描かれていませんでした。
 そんなことを言うと「大河ドラマの趣旨とは違う」「歴史は人物がおもしろいのだ」という声が聞こえてきそうです。
 しかし、国民の怒りの前に支持率が低下し、解散すらできず八方ふさがりの麻生内閣、国民の期待に応えきれない民主党、そして二大政党がいかに迷走していようとも、派遣労働者の戦いが日々日本の大企業を動かし、社会を変えつつある激動の情勢を見ているだけに、民衆が見えないドラマはやはり私としては物足りないのです。

 追伸;篤姫を演じる宮崎あおいさんに回を追うごとに威厳と貫禄が出てきたことには驚きました。番組開始当初は本当に愛くるしいだけ、という感じだったのですが、女優さんって、やはり大したものですね。(1/17・9/22付ブログ参照)
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by takeshi_yamagen | 2008-12-26 15:55 | 歴 史 夜 話