元史建歴32 「えんとつの詩」

 09.5.30    
 実は小学校高学年の頃、私は突然自らの文才に目覚め?児童文学ものからSFものまで、さまざまなジャンルの小説もどきの文章を書き散らかすようになっていた。
 私の作文好きに気づいた担任の平田先生は、各種の作文コンクールへの投稿を勧めてくださり、実際に何度か応募したのだが、どれも大した結果には結びつかなかった。それも道理で、当時の作品を今読みかえすと、どれも目も当てられない駄作ばかり。これでよくもまぁ、賞を取ろうとしたり、たとえいっときでも小説家になろう、などと考えたりしたものだ。お恥ずかしい限り。
 文才を認めてくださった点でも、そして、その限界に気づかせてくださった点でも!? 私は平田先生に今でも感謝している。
 さて、そんな駄作の山の中で、「自分で自分をほめたくなる」秀作だと今でも思っている作品が一つだけある。それが「えんとつの詩(うた)」という小編。
 主人公は海辺の町の工場のえんとつという擬人法を駆使したこの作品、自らの出す煙で人々が健康を害し、仲間の小動物たちも去っていく現実に苦しみ、結局、工場の閉鎖の際、喜びながら倒されていくというのがそのあらすじ。自らの存在の否定を喜ぶという、小学生らしからぬ弁証法的な展開―、自分で言うのもなんだが、今読んでもこみ上げるものがある。 
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by takeshi_yamagen | 2009-05-30 01:37 | 元 史 建 歴