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博物館学芸員はインスタントラーメンか

 09.6.6     
 府内のある博物館で学芸員をしているA女史と話す機会がありました。
 最近、館の催し物をお知らせする資料を送っても返ってくることが多いとのこと。要は施設の閉館や統合が進んでいっていることの反映です。 
 さらに彼女は学芸員が事務職に回され、逆に事務職員が学芸員の仕事をしているところが増えていると言います。専門知識もない人に学芸員の仕事ができるのかと聞くと、マニュアル本に沿って最低限の業務が行われているらしいのです。
 本来、博物館など社会教育施設の学芸員とは、長年培ってきた学問的な知識や成果を、市民にいかにわかりやすく伝えるか、自分の頭で考え心を砕く、学問の大衆的伝道者とでもいうべき職業。それを説明書きどおりにお湯を注ぎ、3分待てばできあがるインスタントラーメンのように扱う日本の現状は嘆かわしいばかりです。
「この国の文化や学問の継承はどうなってしまうんやろか…」
彼女は深いため息をついていました。
 そう言えばわが市にも「3カ月で天文の専門家を作り上げる」と言ってのけた教育委員会幹部がいらっしゃいましたね(08/3/22・3/25・5/20付ブログ参照)。 

by takeshi_yamagen | 2009-06-06 08:06 | 博物館は楽し  

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