まるでカネゴンの繭!? ―長尾山古墳をめぐる三つの驚き―

 10.10.13
c0133503_14445322.jpg「なんじゃ、これ…」
 宝塚市長尾山古墳(全長39mの前方後円墳)の発掘現場で長さ6.7m、幅2.7m、高さ1mのかまぼこ型の白い物体を見て、私は思わず叫んでしまいました。
 実はその物体、粘土槨と呼ばれる墓穴の底に粘土で包んだ木の棺を置く埋葬施設なのですが、この粘土槨という埋葬施設、長さ5~6m、幅1m、高さ数十cmというのが、まぁ、標準サイズであることから見て、長尾山古墳は破格の大きさ、近くで見るとカネゴンの繭のようです(毎度マニアックな例えで申し訳ありません)。
 また、その時期が古墳時時代前期でも古い時期(4世紀初め)まで遡ると考えられる点も驚きです。というのも今まで古墳時代前期前半の古墳の埋葬施設は竪穴式石室が主体で、粘土槨は古墳時代前期後半から中期(4世紀後半~5世紀)にかけて盛行すると考えられていたからです。確かに古い遺物が出土する粘土槨も少数ですが知られていたので、今後粘土槨の出現時期が議論になっていきそうです。 
 しかし、古墳の規模や時期よりも私が驚かされたのは、この古墳が墓泥棒に全く荒らされていなかったこと(この規模の古墳で未盗掘は奇跡と言うしかありません)。つまりこの粘土の中に1,700年前そのままの状態でおそらく鏡や武器類が残されている可能性が高いわけです。まさにタイムカプセル、早く見たいというのが人情ですが、発掘自体が古墳の破壊にもつながっていくわけですから、こればかりは慎重な対応が求められます。
 いずれにせよ、猪名川流域の古墳文化を考える上で貴重な成果であることは間違いないでしょう(09/9/19付ブログ参照)。

 現地説明会は16日(土)午前10時からと午後1時から。現地は阪急山本駅から北へ徒歩10分。一見の価値はあります。

 
[PR]

by takeshi_yamagen | 2010-10-13 14:47 | 歴 史 夜 話