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効率的でないことはそんなに悪いことか ―飯舘村、映画「アンダンテ」に思う―

 11.5.22
効率的でないことはそんなに悪いことか ―飯舘村、映画「アンダンテ」に思う―_c0133503_1549040.jpg 原子力発電にくみせず、当然国からの補助金も受け取らず、エコロジカルな村をめざして、合併せずにがんばってきた福島県飯舘村。その村を突然襲った原発事故による放射能と「汚染はチェルノブイリ以上」とばかりに出された避難要請―、
 私は飯舘村に行ったことはないけれども、確かに言えることは、飯舘村の皆さんは誰一人として悪くないこと、そして目先の効率や経済性だけを見て進められてきた原子力推進の国策が村の人々の歴史、日常、そして積み重ねてきた地道な努力―その多くはお金で測れるものではありません―を瞬時に奪い去ってしまったということ。

 効率的、経済的とは一体何なのか…。
 そんなことをつらつら考えていた中、昨日見た映画が「アンダンテ ~稲の旋律~」です。
 映画の主人公藪崎千華(新妻聖子)は、母親の強い希望で幼い頃から音楽の道を歩むが、その競争の厳しさに次第に自信を失い、大学中退を余儀なくされ、やがて自宅にひきこもるようになる。
 そんな千華が、千葉県有機農業を営む広瀬晋平(筧利夫)と出会い、「効率的でないことがそんなに悪いことか…」と考える横芝光町の人々との交流を深める中で、ひきこもり生活を徐々に変化させていく。アンダンテ―、歩く速さで…。
 効率性、経済性最優先の社会を、今こそ真剣に考え直すべき時ではないでしょうか。


 ※「アンダンテ ~稲の旋律~」は6月4日(土)午後2時より豊中市立アクア文化ホールで上映されます。ぜひご覧ください。

by takeshi_yamagen | 2011-05-22 11:45 | 銀 幕 日 記  

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