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再び歴史教科書について③ ひいきの引き倒しではすみません 

 11.8.27
 次に目につくのは、「聡明な人物」「若き指導者」などの言葉を使った聖徳太子の異常なまでの持ち上げです。これは第三の原則に反します。 
 それは「「和の重視」が日本の伝統となった」と、彼の「一七条憲法」を強引に日本の伝統に結びつけ、「太子の活躍した7世紀には、政治や文化の中心が飛鳥地方にあったので、このころを飛鳥時代とよぶ」と時代区分にまで彼を持ち出す念のいれようなのです(ちなみに、聖徳太子(622年没)の「活躍」したのは、7世紀のごく最初の時期に過ぎません)。
 余談ながら、私は厩戸皇子(聖徳太子)は個人的に好きです。大好きと言っていいかもしれません。しかし、それは天皇家と蘇我氏、両方の血を引く彼が、その歴史的条件の中で試行錯誤しながら政治に携わっていった姿、つまり「人間 聖徳太子」に魅かれるからで、「偉人 聖徳太子」にはまったく興味がありません(09/11/18ブログ参照)
 このような聖徳太子の特別視は、自由社の「教科書」が、彼こそが天皇中心の中央集権国家の基礎を築いたと見ていることに起因することはまず間違いないでしょう。特定個人の恣意的な扱い、単純に「ひいきの引き倒し」と笑ってすますわけにはいかないのです。
by takeshi_yamagen | 2011-08-27 16:03 | 歴 史 夜 話