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国も小中一貫校を見放しつつある!? ―文科省中教審報告から―

 12.7.9
 池田市の進める小中一貫校づくりについて、私が批判的にならざるを得ない理由の一つは各地の先行例でうまくいっている例を聞かないことです。市教委は不登校児が減少するなど小中一貫校をバラ色に描くけれども、例えば2006年から小中一貫校を全区的に導入している東京都品川区などでは逆に不登校児が増えているのです(11/12/13付ブログ参照)。

 私は先月26日の一般質問で「小中一貫校で子どもたちをめぐる問題が解決するのか」「各地の先行例から市教委はなにを学んでいるのか」と率直に質問したところ、担当部長は「文部省の中央教育審議会が進めている」「異学年交流ができる」「連続的系統的指導ができたと聞き及ぶ」と抽象的な答弁に終始、これでは各地の経験からなにも学んでいないか、都合の悪いことは言わないとしているのか、どちらかとしか判断しようがありません。
 ちょっと憤って「私は学校例も出して聞いているんだ!質問に具体的に答えてください」と再質問すると、やっと「品川区は学校選択制が問題になっているが、池田では採用しない」との答弁がありました(※)。

 さて、このように池田市議会でまさに小中一貫教育が議論されている最中の先月25日、部長答弁にも出てきた文科省中教審の作業部会が小中一貫校に関する報告書をまとめました。それによると、小中学校のあり方について、「9年生の義務教育学校」の創設は「慎重な検討が必要」として早期の導入は見送るよう求め、当面は小学校6年、中学校3年の6・3制を維持した形の一貫教育が望ましいとしています。その理由として同報告書は1)6・3制と9年生の学校が併存し義務教育が2ルートに分かれる、2)小中学校の統合が進み、災害時の避難所など地域拠点としての学校が減少するなどを挙げています。これらはまさに市民の皆さんが小中一貫校に対して懸念していたことに他なりません。
 自らがよって立つ国の審議会すら見直しを言いだした小中一貫校構想―、やはり市教委は白紙撤回すべきではないでしょうか。

 ※学校選択制を導入している品川区では皮肉なことに9年制小中一貫校よりも従来通りの6・3制校を選択する、あるいは6年修了時に私学を受験して小中一貫校から逃げ出すなどの例が増加しているのです。

by takeshi_yamagen | 2012-07-09 04:40 | 守ろう!みんなの小学校  

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