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新世界散歩② 同じ容器のソースをつけた仲

 12.8.19
 さっそくじゃんじゃん横丁のとある串カツ屋の暖簾をくぐりカウンターに座ると、隣でちょっと小太りのお年寄りがすでにできあがっておられました。
 今年喜寿を迎えられるこのAさん、かつては大阪の医療施設で国家公務員として働かれ、薬剤師などの資格もお持ちとかでなかなかのインテリです。
 その日は京都伏見の自宅からマージャンをしにわざわざ新世界まで出て来られたとのこと。「京都のいきつけのマージャン屋がつぶれてね」とハッハッと笑われ、「京都にはここみたいに昼間から飲める店あらへん」と続けられました。
 Aさんの話はもう一つの趣味である釣りに移り、「深海魚は“引き”が弱ぁてあかん」「でっかいキスの獲れるポイント知ってるか」「アユ釣りは竿代が高こつくからでけへん」といろいろ御教示してくださいました。
 まぁ、私はマージャンも釣りもしないので、「二度づけ禁止」の紙の貼られたソース入れに串カツをつけながら専ら聞き役に徹していました。
 そしてひとしきり話し終わると「ほな、お先。マージャン行ってくるわ」とステッキを軽く掲げて、Aさんは出ていかれました。またそのしぐさがさまになっていたこと!
 いろんなとこから引き寄せられたけったいなおっさん連中が、同じ容器のソースをつけて串カツをほおばる街―、そんな新世界に私もはまっていきそうです。

by takeshi_yamagen | 2012-08-19 01:00 | 日本たびたびまた旅日記  

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