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焼いている途中に天井が落ちたようです ―豊中市下地蔵岡窯を見学して―

 12.12.27焼いている途中に天井が落ちたようです ―豊中市下地蔵岡窯を見学して―_c0133503_15532963.jpg
 選挙の終わった直後、豊中市宮山町の須恵器窯(下地蔵岡窯)の調査現場を見学させていただきました。
 全長8mほどの窯がほぼ完存していたこともさることながら、私が最も驚いたのは窯の中央部の床面に製品が所狭しと並んでいたこと。どうやら完成間際に中央部の天井が抜け落ちそのまま窯が放棄されたため、製品が1500年後の現代まで取り残されてしまったようなのです。
 先日は群馬県で6世紀の榛名山の噴火に伴う火砕流で不幸にも亡くなった甲冑をつけたままの人骨が初めて見つかり、話題になったばかり。今回は焼成途中に事故があったおかげで須恵器生産の詳細 ―例えば単一の器種ではなく坏、高坏、甕など複数の器種が同時に焼成されていることから、当時の生産がレディメードではなくオーダーメイドの可能性が高いことなど―が推測できそうです。
 過去の不幸は現代の宝、そしてその宝のおかげで未来への展望を示しえる―、考古学はなんとも因果な学問です(写真は窯跡遠景)。

by takeshi_yamagen | 2012-12-27 15:54 | 歴 史 夜 話  

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