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歴史的事実でないことを公教育で教えるわけにはいかないのです

 13.2.13
 最近私も大人になって?他の議員のブログを直接批判することは極力差し控えているのですが、近隣市のF議員の2月11日付の「紀元節」と題するブログのあまりの内容に、歴史を学んだ者として看過できなくなりひとことここで触れておきます。
 氏はまず「今日は建国記念日(紀元節)。神武天皇(初代)が即位された日ですね」と述べています。しかし神武天皇は伝説上の人物であり当然その即位も歴史的に実証されていないことは日本古代史の常識。さらにいうならば神武天皇が即位したとされる紀元元年は西暦紀元前660年にあたり考古年代でいうと縄文時代晩期頃。大陸から九州にようやく稲作が伝わった頃で日本列島の大部分はまだ狩猟採集社会でした。天皇のような支配者がいたとは到底考えられないし、そもそも文字も暦もなかったのです。
 そして氏は「(神武即位は)天皇制反対の左巻き教師は口が裂けても教えない」と主張し「おい!一部の左翼教師!ちゃんと教えろよ!」と続けます。ここで彼は歴史的事実かどうかという客観的な問題を、教師の政治的立場、すなわち主観の問題にすり替えてしまっているのです。しかし、先生が右翼であろうと左翼であろうと事実と確認できないことを公教育で教えることができないことは言うまでもありませんね。
 さらに氏は「祝日は一番身近に我が国の歴史を知ることができる機会」と述べているので、2月11日を「建国記念日」という祝日と考えておられるようです。しかし正しい祝日名は「建国(の)記念日」ではなく「建国記念の日」。つまり日本の建国に思いをはせる日であり、日本の建国の日ではなく、ましていわんや神武即位の日でもないこともつけ加えておきましょう(まぁ、「建国記念の日」も問題ありですが、ここでは触れないでおきます)。

by takeshi_yamagen | 2013-02-13 01:34  

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