風よ、光よ、われこそは平知盛の怨霊なるぞ

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 18.5.23
 実は19日は生まれて初めての薪能の鑑賞だったのですが、あいにく当日は寒くて重い雲が立ち込め、雨こそ降らなかったものの遠くで雷鳴らしき音が聞こえるまぁ最悪のコンデション、現地でお会いしたWさんなどと「こりゃ苦行やな」と思わず音葉を交わしてしまいました。
 そしてかがり火が焚かれ、夜の帳が下りる中、最後の能「船弁慶」は始まりました。
 義経と弁慶一行が、頼朝から逃れるべく摂津国は尼崎大物浦から船に乗りこもうとする時、その行く手を阻むように現れたのが平知盛の霊、「おのれ、義経」と長刀を振り回して一行に襲いかかろうとします。
 天空高く笛、鼓、そして謡の音が響き渡り、雲黒く立ち込め、寒風吹きすさび、木の葉ざわめく中、かがり火に照らされて舞う知盛、数珠を手に必死に読経を続ける弁慶―、両者の対決が頂点に達した時、寒さによるものか知盛の霊が憑依したからなのか、それすらわからないほど私の胸の震えが最高潮に!やがて知盛は姿を消していきました。
 黒雲と強風と寒さと炎が、魂の震える舞台を演出してくれました。
 薪能―、やみつきになりそうです。


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by takeshi_yamagen | 2018-05-23 18:27 | 能・狂言鑑賞記