家族って、なんだろう ―「焼肉ドラゴン」を見て―

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 在日コリアンの一家を描いた映画焼肉ドラゴンを見てきました。以下そのあらすじです。
 時は高度経済成長の只中、万国博覧会に浮かれる1970年、舞台は関西のとある在日コリアの集落です。
 金龍吉(キム・サンホ)は、戦争で左腕を失い、四・三事件で故郷済州島を追われて来日、高英順(イ・ジョンウン)と出会いました。 夫婦は国有地を不法占拠して焼肉店「焼肉ドラゴン」を開業。 龍吉・英順には各々長女静花(真木よう子)・次女梨花(井上真央)、三女美花(桜庭ななみ)の連れ子がいてやがて、長男の時生(大江晋平)が生まれます。
 三人の娘たちと彼女らに思いを寄せる男たちとの結構ドロドロした恋愛話を軸に物語が進み、ことあるごとに彼らの「修羅場」が繰り返されるのですが、父龍吉はいつも娘たちをやさしく見守ります。そんな穏やかな龍吉ですが、「土地を返せ」と国有地の収容に訪れた役所の職員に土地は買ったものだと主張し、「戦争でなくした腕を帰せ」と怒りを爆発させるのです。
 植民地支配、第二次大戦、戦後の混乱、朝鮮戦争、南北対立、高度成長―、時代に翻弄される中、差別に耐え必死に家族の絆をつなぎ止めようとした金龍吉・高英順夫妻を待っていたのはあまりに辛い家族の別れでした(これ以上言うとネタばれ)。
 基調はやっぱり悲しくてしんどい映画なのですが、「人間って本音で生きていいんだ」と思わせてくれて、鑑賞後に羨望と爽快さすら感じられるいい映画でした。そう思えるのは俳優陣の演技力によるところが大きいと思うのですが、とりわけ金龍吉役キム・サンホと高英順役イ・ジョンウンの熱演はみごとでした。
 余談ながら、大阪空港の北端、箕面川と猪名川が合流するあたりの風景(私の小学校時代の遊びのテリトリー内です)が何度もスクリーンに映し出され、舞台が伊丹市N集落であることもすぐわかりました。その周辺に住む在日の子がクラスに一人くらいはいたので、彼らのファミリーヒストリーにも、やっぱりいろいろ思いを馳せてしまいましたね。ちなみに今も出自国籍こえてみんななかよしです。

 
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by takeshi_yamagen | 2018-06-28 08:55 | 銀 幕 日 記