十七条憲法がはたして民主主義の伝統を示すのか

 18.11.6

 自民党の稲田朋美氏が代表質問で「歴史を遡れば、聖徳太子(厩戸王)の『和を以て貴しとなす』という多数な意見の尊重と、徹底した議論による決定という民主主義の基本は、我が国古来の伝統であり…」と言ったのには心底驚きました。

 確かに厩戸王の十七条憲法では1条の「和をもって貴しとする」(仲よくしなさい)、17条の「それ事(こと)は独(ひと)り断(さだ)むべからず。必ず衆とともによろしく論(あげつら)うべし」(ものごとはひとりで判断してはいけない。かならずみんなで論議して判断しなさい)と民主主義「的」な文言がありますが、その一方3条では「詔(みことのり)を承()けては必ず謹(つつし)め」(天王の命令は必ず実行せよ)と記しています。

 要するにこの憲法は天皇中心の中央集権制国家をめざしていた厩戸王が豪族連合の中で専横を振るう蘇我氏を牽制する意図から記したというのが、ほぼ古代史学界の定説です。「いろいろ豪族同士で話し合ってもよいが、最後には天皇に従え」というわけです。少なくとも「多数な意見の尊重と、徹底した議論による決定」を十七条憲法から導き出すのには無理があります。


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by takeshi_yamagen | 2018-11-06 17:39 | 打倒!安倍政権