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寺社に集う貧者たち ―京都で一遍上人に会ってきました①― 

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 22日京都国立博物館の「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」展に行ってきました。目的はズバリ時宗の開祖一遍上人の生涯を死後10年目にあたる1299年に絵師円伊が描いた国宝の「一遍聖絵」です(「一遍上人絵伝」として教科書に載っていたことを覚えておられる方も多いと思います)。
 この絵巻では北は岩手県から南は鹿児島県にいたる、生誕地(愛媛)や遊行地など上人ゆかりの地が登場するのですが、各地の情景が実に精緻かつ正確にしかも旅情あふれるタッチで描かれていることにまずびっくり。たとえば寺社の周辺にたむろする貧者たちの雨除け一つを見ても、掘立小屋(信濃国伴野市)、蓆を片掛けしたもの(相模国片瀬)、車の付いた可動式のもの(四天王寺)など、おそらく実際に見たまま描き分けています。よく見ると死期が迫りすでにカラスに狙われ始めている痩躯の男や顔を白頭巾で隠したハンセン病患者と思しき人も見えます。

by takeshi_yamagen | 2019-05-24 10:52 | 博物館は楽し  

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