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日本国憲法は日本人の手で仕上げられた世界最先端の憲法なのです ―「義男さんと憲法誕生」を見て―

 20.5.8
日本国憲法は日本人の手で仕上げられた世界最先端の憲法なのです ―「義男さんと憲法誕生」を見て―_c0133503_06575221.jpg 昨日もちょっと触れましたがNHKで放送された「義男さんと憲法誕生」は大変見ごたえがある番組でした。特に1946年夏に13回にわたって開催された国会内の帝国憲法改定小委員会を舞台に繰り広げられた日本国憲法の形成に到る議論の再現映像は、現場の息遣いが聞こえるようで、ちょっとした興奮すら覚えました。
 最近憲法9条は日本側からの発案であったことが有力な説となっていますが、小委員会の場でさらにその9条が国際協調を強調するようさらに練り上げられたこと、当初12条に包括されようとしていた生存権が独立の条文(25条)となったこと、あるいは国家賠償制度や刑事補償制度が審議を通じて明記されるようになったことなど、今まで知らなかった事実が次々画面から飛び込んできました。そしてその議論をリードしたのは戦前河上肇(マルクス経済学者)や宮本百合子(プロレタリア作家)などの治安維持法違反の思想犯の弁護を担当した衆議院議員の鈴木義男(通称ぎだんさん)だったのです。
 私がさらに驚いたのは鈴木さんの所属する社会党のみならず、保守政党の委員も含めてみなが実に小委員会で自由闊達に意見を述べていること。現憲法がGHQの草案が元になったのは事実ですが、日本側の活発な審議を通じてより豊かなものに練り上げられていったことがよくわかりました。
 また鈴木委員が若き日に体験した国際協調(国際連盟)や不戦条約、生存権(ワイマール憲法)など20世紀の進歩的な世界の動きを十分に理解して小委員会に臨んでいたことも紹介されていました。
 日本国憲法は日本人の手で仕上げられた世界史の先端を行く憲法なのですね。
 陳腐なおしつけ憲法論など入ってくる余地はもうありません。

by takeshi_yamagen | 2020-05-08 06:42  

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