人気ブログランキング |

英語教育は早ければ早い方がいいのか?②

 07.12.1
 そんな問題意識から、私はここ10年ほど、外国語教育の本を意識的に読み、様々な人から意見を伺ってきました。以下その抜粋。
「母語で考える力、生きる力をつけること。それこそ、小学校という人間の根っこをつくる時期に大事だ」(英語教育学者 鳥飼玖美子氏)
「母語の太い幹にまとわりつくように外国語の学習はすすむ」(在米日本人児童向け塾経営者 市川力氏)
「まず母国語を格調高くしゃべることが大事なんです」(ロシア語通訳 河島みどり氏)
「日本語を聞いてこの人は通訳に向いているかどうか判断する」(英語通訳 村松増美氏)
「日本語が下手な人は、外国語を身につけられるけれども、その日本語の下手さ加減よりさらに下手にしか身につかない」(ロシア語通訳・エッセイスト 米原万里氏)
「日常のことばについて年中自分で意識して暮らしていると、外国語を獲得するのが非常にやさしくなる。…だから、外国語がよくできる子どもに育てようと思ったら、まず母国語たる「日本語」をこそ、徹底的に意識させて育てるということが肝心であって…」(作家・書誌学者 林望氏)
「家族づれで外国生活をしてきた家庭の子供にしばしば思考力の不安定なものが見受けられるのは、幼児の外国語教育がもし徹底して行われると、どういうことになるかというひとつの警告としてうけうめるべきであろう」(言語学者 外山滋比古氏)
「外国語学習でまず大事なのは文法、そして単語を覚えること」(市内在住のロシア語通訳 居谷民子氏)
 少なくとも、英語学習熱をあおって金もうけに結びつけようとする人を除くと、思想的な立場を問わず(上記の人には、日本共産党のシンパから『産経新聞』「正論」の論客まで含まれています)、ほとんど全ての人が、①まず母語(日本人なら日本語)の学習が大事である、②母語と外国語との対比を経て外国語は上達する、とおしゃっています。
 とは言うものの、英語を何年やっても日本人は英語を話せないではないか、やはりなにか現在の英語教育に問題があるのではないか、という意見もあります。これは学校教育のせいというよりも、本人がどれだけチャレンジ精神、いちびり精神をもっているか、あるいは、どれだけ外国語を使う必要に迫られているか、の問題だと私は思います。私の場合、幸いいちびり精神には恵まれたようで?外国人と話すときはいつも「単語並べたらなんとかなる」の開き直りで臨み、それが功を奏してきたように思います。少なくとも私の回りにいる英語で飯を食っている友人は、必ずしも全てが学生時代英語ができたわけではありません。
 そう考えると、外国語学習は、子どもが日本語を正しく使え、なおかつある程度物事を客観的に比較できる段階になってこそ効果的なのであって、早ければ早い方がいいという意見には私は同意しかねます。というより、早期教育で英語を嫌いにしてしまうリスクの方を心配します。まして公教育への導入は慎重の上にも慎重を期すべきです。
 「超ムズい」「バリきしょい」などを多用し、なにを聞いても「ビミョー」「フツー」で済ます、そんな子どもたちをまずなくすことを、私たち大人は考えるべきではないでしょか。
 「結局、外国語を学ぶということは母国語を豊かにすることであり、母国語を学ぶということは外国語を豊かにすることである」(米原万里氏)
 読者の皆さんのご意見、お聞かせください。
by takeshi_yamagen | 2007-12-02 15:12 | 建声元語 ―よもやま話―