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元史建歴11 お話の話

 08.3.23
 私の京都市立養徳小学校時代の担任は井口先生という年輩の女性の先生だった。
  笑うと金歯がキラッと光る、白衣のよく似合う先生だったが、この井口先生、時間を見つけては、私たちにさまざまなお話をしてくださった。遠い昔や未来、そしてはるかな外国に、ちょっと興奮しながら思いをはせることができる先生のお話を、1年1組の誰もが楽しみにしていた。ストーリーこそ忘れたが、「ぼたもち太郎」の話の続きを早く聞きたくて、級友みんなで先生に大声でせがんだこともあった。先生があのような至福の時間を与えてくださったことに対して、私は今でもとても感謝している。
  このように井口先生に大人からお話を聞くことの楽しさを教えてもらった私は、できるだけ幼い息子にも本の読み聞かせをするよう努めた。
  ある日、少し息子の悪ふざけが過ぎたので「もう、お父さん、あなたにお話はしない!」といって叱ったところ、なんと「それはいやや」と声を張り上げて泣き出すではないですか。「こいつ、結構楽しみにしてるんや」と、改めて「お話」の力を認識した次第。
「もうお父さんには保育所のお話したれへん!」と逆襲?されたり、話のネタが尽きて困ったり、疲れて話す側の私が先に寝てしまったり、といろいろあったが、30年の時を経て「井口先生の教え」を一応次世代にも引き継ぐことができたのではないかと密かに思っている。
 

by takeshi_yamagen | 2008-03-23 12:15 | 元 史 建 歴  

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