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魚は山を越えるのか?ー兵庫県立人と自然の博物館を訪ねて―

 08.5.7魚は山を越えるのか?ー兵庫県立人と自然の博物館を訪ねて―_c0133503_142335.jpg
 渓流釣りがお好きな方ならご存知でしょうが、西日本では中国山地や紀伊山地の川の上流域にイワナが生息しています。でも皆さん、おかしいと思いませんか。だって、それぞれ孤立している異なる川の上流域に、同じ種類の魚がいるのですから。イワナが山を越えて移動したのでしょうか。
 実は、イワナは本来寒いところに住むサケ科の回遊魚なのですが、気温の温暖化で西日本のイワナは海に下ることがなくなり、水の冷たい各地の川の上流域だけに取り残されたというのが答です。つまり西日本のイワナは氷河期の生き残りというわけ。まさに「魚の鱗」ならぬ「目から鱗」の話でした。
 普段突き詰めて考えることはないけれども、ずっとひっかかっていた素朴な疑問が氷解した瞬間って本当に心地よいですね。パネルや映像を駆使してそんな体験をいくつもさせてくれるのが5月4日に訪ねた兵庫県立人と自然の博物館(三田市)、生物の進化から温暖化、ゴミ問題に到るまで、文字どおり人と自然に関わる様々なことについて、大人も子どもも楽しく学べます(実際息子はコンピューターのクイズと科学漫画に没頭していました)。
 今話題の丹波の恐竜発掘に関する展示を十分見ることができなかったのはちょっと心残りですが、「イワナの歴史」を知っただけでも来た甲斐がありました。
 いやぁ、博物館って本当に素敵なところですね。

by takeshi_yamagen | 2008-05-07 14:23 | 博物館は楽し  

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