2018年 06月 15日 ( 1 )

人生を静かに深く考えさせられる作品でした ―カズオ・イシグロ「日の名残り」を読んで―

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 先日、英国在住の日系人作家カズオ・イシグロの「日の名残り」(ハヤカワepi文庫)を読み終えました。両大戦間(1920~30年代)のイギリスで名家の執事をしていたスティーブンスが戦後旅を通じて人生を回想するというのがそのあらすじです。
 著者は、執事というそのどちらかといえば特殊な仕事を通じて、職業観、時代観、世代差、品格そして旅等々、人生の節目々々に私を含め誰もが一度ならず考えるであろう諸々を深く考察し、その普遍的な意味を問います。私にはちょっと清算的と思える箇所もありましたが、前半とはうって変わった軽妙なラストも見事、「さすがノーベル賞作家だ」と思わず唸ってしまいました。大英帝国の没落過程を描いたことを強調する論評もあるようですが、それはあまりに皮相な見方だと私には思われます。読後感想会をぜひ開きたいと思わせる本でした(17/12/10付当ブログ参照)。
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by takeshi_yamagen | 2018-06-15 11:05 | 積ん読・乱読・熟読日記

日本共産党 前大阪・池田市会議員  山元たけしの日々の活動を綴ります


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