カテゴリ:博物館は楽し( 31 )

東京で縄文に圧倒されて帰ってまいりました

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 先月国会要望後一泊して、東京国立博物館の特別展「縄文」を見学してきました。
 中部地方のコテコテの火焔土器、東北の宇宙人のような遮光器型土偶、さらには顔面ハート型の文字通りハート型土偶と、教科書その他で誰もが一度は目にしたことがある縄文土器の優品がズラリ並ぶ姿にまず圧倒されました。
 またそれらの優品もよかったのですが、控えめに小さく展示されていた赤ん坊の足型・手型の土器に、私は心惹かれました。名も知らない赤ちゃんとはいえ特定の個人を彷彿とさせるほとんど唯一の展示品だったからです。彼ら(彼女ら?)はどんな生涯を送ったのだろうか、もしかしたら生まれてすぐ亡くなったのかもしれないな、だとすればお母さんの悲しみはいかばかりだっただろうか…、展示品の前で過度に感情移入する私の性格がまた出てしまいました。
 私としては、移動生活から定住志向の高度な狩猟採集生活へと移行した縄文1万年のダイナミックな流れが示されてなかったのだけは残念に思えましたが、それを差し引いても一見の価値は十分ある特別展でした(9月2日まで)。
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by takeshi_yamagen | 2018-08-11 11:57 | 博物館は楽し

放っとけない仏様ならやまとある ―「春日大社のすべて」展を見学して― 

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 後輩のB君、気がやさしくていい人間なのですが、無趣味なのが玉に傷。周囲から「休みの日にいろいろチャレンジしてごらん」「教養深めなあかんで」とあれこれ指摘され、最後には「せめて一月に一館(博物館、図書館等々)行ってこい」と言われてしまいました。
 いろいろB君に言った手前、「まず隗より始めよ」で、ワタクシも「館」に行かねばと決意して、奈良国立博物「館」で開催された「春日大社のすべて」展を見学してきました。なかなか見ごたえのある特別展だったのですが、私が驚いたのは春日社が大社(神社)と名乗りながら仏教が幅をきかせていること。彫像、絵画のあちこちに仏様は顔を出すのですが神様は遠慮がちにちょこっと鎮座されているだけです。また境内にかつて五重塔まであったことを今回初めて知りました(しかも東西2棟も!)。まさに神仏習合ここに極まれりって感じです。
 すっかり脳みそが仏様に浸かってしまったワタクシ、同じく国立博物館内にある仏像館をおよそ30年ぶりに訪問、さらに勢い余ってお隣の興福寺の国宝館に足を伸ばして阿修羅様と再会、修学旅行の男子中学生と「やっぱり男前は得やななぁ」「そうですね、女の子にモテそうですね」と、恐れ多くも国の宝を前にして下世話な会話を交わしてしまいました。
 以前「したいこと(古都)なら(奈良)やまと(大和)ある」って近鉄電車のキャッチフレーズがありましたが、今日の私はさしずめ「放っとけ(仏)ない仏様なら山とある」といったところだったでしょうか。
 同展は10日(日)までです。お急ぎください。  
 
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by takeshi_yamagen | 2018-06-08 21:17 | 博物館は楽し

「あの人たちの目と頭と指先はどう繋がっていたのか」 ―デトロイト美術館展を見て―

 16.9.16
 いよいよ今度の連休あたりから衆議院大阪9区での活動が本格化してきます。
 ということで、昨日午前中は赤旗日曜版の運搬、配達、生活相談の合間を縫って演説の基本となる原稿を作成し、昼から休みを取るつもりだったのですが、結局午前中には終わりませんでした。
 3時前、一段落ついて、居間で少しゴロッと横になっている時、急に思い出したのがデトロイト美術館展。「もう見に行く日はとれないだろう」と思っていたのですが、「まだ間に合う!」と思い直してガバッと起き上がり、閉館1時間前に天王寺の大阪市立美術館に滑り込みました。
 これでもかと言うくらいその生き様が激しい色使いとなって画面に溢れるゴッホの自画像、ぼんやりした輪郭と暖かい光が不思議な立体感を醸し出すルノアールの裸婦像、パラパラ漫画の5ページ分くらいが1枚の絵に凝縮されたピカソのキュービズム、さらにモネ、セザンヌ…、以前彼らの絵を見て「これくらい私も描けるわ」と豪語した御仁が我が家におられましたが、やっぱり無理。彼らは天才です。「あの人たちの目と頭と指先はどう繋がっていたのか」と考えてしまいました。ただモディリアーニの抽象化されたさびしそうなおじさんの顔だけは「僕でも描けるかな」と不遜にも思ってしまいました。わずか1時間でしたが至福の時を過ごした次第(今月25日まで)。
 帰宅後妻から「盗まれた自転車でてきたって警察から電話あったで」と知らされました。昨日はまぁまぁいい日だったようです。

 追伸;私のブログ、FB上の上記投稿を見て高校時代の友人とその家族計5人が見に行かれたとのこと。大阪市立美術館から紹介料いただかなければならないですね(笑)。 

 
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by takeshi_yamagen | 2016-09-16 12:58 | 博物館は楽し

双六禁止聖武天皇VSカジノ推進安倍首相 ―第66回正倉院展を訪ねて②―  

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 さて正倉院には双六などの遊具も今に伝わっています。武具ともども仏教の教えにかこつけて収集したらしいのですが、狙いが貴族層の武装解除と風紀粛正にあったのはまず間違いないでしょう。ばくち防止に努めた1,300年前の聖武天皇、かたやばくち(カジノ)を進める現在の安倍首相―、これってやっぱり歴史の逆流では?
 さてマニアックなところでは奈良時代越中国(富山県)にあった東大寺の荘園地図がお勧め。東西2㌔にわたる荘園を描いたこの地図、結構大きい荘園だったんだなぁと思っていましたが、よく見るとほとんどの条里区画に「野」と書かれ、水田は川沿いに少しあるだけです。これから開墾する予定だったんでしょうが、結局どうなったのか、一度現地で実況見分してみたい―、歴史オタクの血が騒ぎます。
 なお正倉院展は奈良国立博物館で明後日12日まで!超お急ぎください。
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by takeshi_yamagen | 2014-11-10 19:47 | 博物館は楽し

今も昔も美人の基準は日中共通? ―第66回正倉院展を訪ねて①― 

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 先日時間を見つけてここ数年マイブームになっている正倉院展に行ってきました。
 今年の目玉は教科書でお馴染みの鳥毛立女屏風。本当は6枚あるのだそうですが今回はそのうち4枚が展示されていました(あとの2点は東京国立博物館で展示中)。
 細めの目元に気品漂うふくよかな色白女性、唐の影響は明らかです。当時の東アジアで美人といえばこんなタイプだったんですね。そういえばもう20年以上昔中国で現地の若者と「百恵ちゃん、いいなぁ」なんてしゃべりあったことがあります。美人の基準も日中で同じように変わってきているんでしょうか。宝物にケチをつけるわけではありませんが、この4人の女性、顔の輪郭も大きさも非常によく似ています。もしかしたら原図があってそれをトレースしたのかもしれません。
 また今回は武具も多く展示されていました。ただし弓矢関係ばっかりで甲冑すなわちよろいかぶとがありません。実は私はこれまでも不思議に思っていたのですが、今回の解説書によると本来百両の甲冑が正倉院に保管されていたのですが、764年の藤原仲麻呂の乱の際持ち出されそのまま返ってこなかったとのことでした。なるほどそんな事情があったのですね。
 仲麻呂さんといえば彼の書いた古文書も展示されていました。右上がりの肉厚な文字―、乱の2年前に書かれたもののようですが、彼が結構個性的な人物であったことが伺えます。
 
 
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by takeshi_yamagen | 2014-11-10 19:44 | 博物館は楽し

ナウマンゾウ、デッカイゾウ! ―太古の哺乳類展を見て―

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 26日の政府交渉終了後なんとか時間をつくって上野の国立科学博物館で開催されている「太古の哺乳類展 ―日本の化石でたどる進化と絶滅―」に行ってきました。
 今の日本列島の地に生息していた哺乳類化石をずらーと並べたこの特別展、目玉はなんといってもナウマンゾウのオス、メス、子どもの全身骨格標本。3頭並んでいることもさることながら現在のアフリカゾウほどの大きさの巨体から大きく湾曲した牙が眼前に迫る姿はやっぱり迫力があります。
 ところでナウマンゾウやトウヨウゾウ、アケボノゾウなど、なんとなく名前は聞いていて、なんとなく同一系統の親戚筋のゾウかと私は思っていたのですが、さにあらず。530~80万年前にツダンスキーグループのゾウ(ミエゾウ、ハチオウジゾウ、アケボノゾウ)が生息し、比較的短いトウヨウゾウ(50~60年前)の時期を経て、34万年前にナウマンゾウが大陸から渡ってきたのです(2万前に絶滅)。そしてさらにさらにこれらのゾウよりはるか昔(1800~1600年前)にもステゴロフォドン属と呼ばれるゾウの一群もいたとのこと。
 つまり今の日本列島の地にはステゴロフォドン属、ツダンスキーグループ、トウヨウゾウ、ナウマンゾウに北海道のマンモスと少なくとも5系列のゾウたちが大陸と陸続きになった時に渡ってきてたってわけです。
 また恐竜時代(中生代)のネズミみたいなちっちゃいやつらの化石が近年石川県などで発見されていることも今回初めて知りました。恐竜たちの間をちょこまかはい回りながら赤ちゃんにおっぱいあげてた僕ら哺乳類の御先祖様―、そんな彼らの小さな骨片を見つめていると、なんともいじらしくて尊敬の念すら湧いてきました。思わず合掌。
 一見の価値ありの特別展、10月5日までです。
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by takeshi_yamagen | 2014-08-28 08:05 | 博物館は楽し

心は鉄路に乗って ―大阪市立交通科学博物館を訪ねて―

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c0133503_8445614.jpg 安治川で産湯を使った弁天町生まれの私、「近場の観光地に行かない」の法則を実践していたわけでもないのですが、弁天町駅構内の大阪市立交通科学博物館に行ったことがありませんでした。その交通科学博物館、4月6日に52年の歴史を閉じると聞いて昨日港区内で開かれた共産党の会議の帰りに足を伸ばしました。
 入館料400円を払って入館するとまずまる鼻の0系新幹線がお出迎え。c0133503_848121.jpg思わず「なつかし!」子どもの頃の旅の思い出がよみがえります。お!お次は「なは」「日本海」「北陸」…、夜行列車のプレートがずらり。「乗り鉄」の私の心は一気に青森、九州へ…。SLは実際乗ったことないのにわくわくするのが不思議ですね。同僚の藤原議員ときゃっきゃ言いながら見学、1時間があっと言う間に過ぎてしまいました。
 列品解説読んでたらまる1日かかります。閉館までにもっぺん来よーうと! 
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by takeshi_yamagen | 2014-02-14 08:51 | 博物館は楽し

性別詐称は「偽称」か「誤表示」か ―第65回正倉院展から②―

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 私が毎年結構楽しみにしているのが、順路の最後の方に展示してある古文書類。
 今回は近江国志何郡古市郷(今の大津市内)の但波吉備麻呂(たんばのきびまろ)さんご一家の計帳(毎年出された戸籍)の手実(各戸からの申告書)が展示されていました。一瞥して明らかなのは女性の多さ。例えば神亀2(725)年の計面手実を見ると15人中女性が11人を占めています。当時女の納税額は男の2/3であったため「税金対策」であったことは明らかです。
 さらによく見ると61歳の老人(女)と12歳の小女、そして30歳の奴(奴隷)の行の下の方に「逃養老5(721)年」とあり、飢饉でもあったのか3人は一度家を捨てて逃げ出したことが窺えます。当時では長命の61歳という年齢からみて老女は口減らしに「姥捨て山」にでも向かおうとし、その際小女と奴も同行させられたのかも知れません。
 奈良の都の貴族連中が琴や投的に興じている時に、あるいはもっと悲惨な事態が但波家で起こっていたのかも…。1,300年前の小さな戸籍片を見つめながら、他のお客さんとともに「火曜サスペンス」ばりの推理に興じてしまいました。
 ところで但波家が生きるために性別を「偽称」したのは明らかですが、それが発覚した場合、上司から叱責された下級役人はやはり「誤表示」と言いのがれしたのでしょうか。
 
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by takeshi_yamagen | 2013-11-08 05:02 | 博物館は楽し

私は鳳凰刺繍が一押しです ―第65回正倉院展から①―

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 7日は11月最初でおそらく最後になるであろう完全休養日。このところ私にとって毎年秋の恒例になりつつある正倉院展見学に奈良まで行ってきました。
 今回の目玉は32枚の連弁を周りに配する「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」(写真上)。直径56cmにもなる中央でお香を焚く道具だとのことですが、連弁の獄彩色の装飾が実に見事。ただ私の一押しは躍動感あふれる鳳凰の刺繍(花喰鳥刺繍裂残片 写真下)。特にその足元がおそらく実際の鳥(ニワトリ?)の動きをよく観察して描かれたことは間違いなく実にリアル。また今回は投げ矢用の容器や弓、琴などの貴族連中の遊び道具が多く展示されているのも特徴です。
 11日(月)まで奈良国立博物館にて。当日一般1,000円です。
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by takeshi_yamagen | 2013-11-08 04:58 | 博物館は楽し

恐るべし伊藤若冲

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c0133503_152137.jpg 昨日紹介した特別展「幽霊・妖怪画大全集」では足のない幽霊画を広げたことでも知られる円山応挙などビッグネームの作品も出展されています。
 中でも私が注目したのは江戸時代京都で活躍した伊藤若冲(1716~1800)の作品 。厨房の什器たちを小さなお化けにしてコミカルに歩き回らせたり、黒地にドクロを白く抜いて不気味に浮かび上がらせたりとその画才を遺憾なく発揮しています。
 私は若冲については鶏などの動植物を忠実に描いた人との知識しかなかっただけに、その発想の豊かさを初めて目の当たりにして思わず「やっぱりこの人は天才だぁ」とつぶやいてしまいました。
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by takeshi_yamagen | 2013-06-03 01:01 | 博物館は楽し