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カテゴリ:博物館は楽し( 35 )

反戦画家四国五郎の生涯に触れて ―四国五郎展 シベリアからヒロシマへ―

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 19.5.29
 今月は一遍上人展に先立って四国五郎展を見に家から徒歩5分の大阪大学総合博物館にも行ってきました(21日)。
 四国五郎さん(1924~2014)は自身の従軍、シベリア抑留、さらには弟さんの原爆死の経験から地元広島で生涯絵を通して反戦の思いを伝えてこられた方です。会場では四国さんの数々の遺品の他原爆詩人峠三吉と作った辻詩(新聞大の紙に絵と文章で思いを表現したもの。GHQ占領下峠、四国らは辻詩を広島の街頭で掲げ反戦・反核を訴えた)など興味深い資料が展示されていました。また現在の自分がシベリア抑留時の様子をスケッチしている絵や戦中と戦後の子どもたちが同一画面で並ぶ絵などに私は特に注目。四国さん自身がさまざまな絵画手法を駆使して戦争体験を風化させないための努力されていたことが伺えました。ぜひ足をお運びください(7月20日まで 大阪大学総合博物館 日祝休)。
 


by takeshi_yamagen | 2019-05-29 18:52 | 博物館は楽し

一遍といっぺん鎌倉時代に旅しませんか ―京都で一遍上人に会ってきました③―

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 これだけ正確で臨場感あふれる作品を描けた背景には上人の旅に好奇心のかたまりみたいな記録者が同行しており、その記録を円伊たち絵師集団に詳細に報告していた事実があったと私は推測します。絵詞の作成を命じた宗門側は「うちの開祖はこんなに偉い」といったバイブル的な作品を要求したのでしょうが、でき上がったのはさながら体験ルポ付ガイドブックだったわけでさぞかし命じた側も驚いたことでしょう。オルガナイザー(組織者)としては大失格だけれども、ルポライター(記録者)としては極めて優秀な面々からなる制作者集団のおかげで、私たちは700年前の先祖の生活を垣間見られたわけで、彼らに感謝しなければなりません。まぁ1970年の大阪万博で「人類の進歩と調和」という前向きテーマを与えられながら、苦渋に満ちた表情を入れた塔を作ってしまった岡本太郎みたいな人が鎌倉時代にもいたということですわ。
 とにかく一遍さん最高!ぜひいっぺん足をお運びください(6月9日まで。月曜休館)。




by takeshi_yamagen | 2019-05-24 10:57 | 博物館は楽し

「一遍を探せ!」 ―京都で一遍上人に会ってきました②―

 19.5.24 
c0133503_10535571.jpgc0133503_10542085.jpg さらに驚いたのは「一遍聖絵」と言いながら上人をことさらに特別視した痕跡が全くと言ってよいほど認められないこと。大勢の僧たちと踊り念仏をしている場面では彼がどこにいるのかさえよくわかりません。まさにウォーリーならぬ「一遍を探せ」状態なのです。
 そして極めつけはその臨終の場面。多くの人が上人を取り囲み、前方の人こそ体を乗り出して涙しているのですが、後方の人たちは勝手におしゃべりしたり、おそらく販売用と思われる笠を高く積み上げたり、鼻をつまんでみたりと好き勝手しています。よく見るとスリらしきずるがしそうな男の顔すらあるではないですか。要は単なる野次馬集団まで事細かに描かれているということです。

by takeshi_yamagen | 2019-05-24 10:54 | 博物館は楽し

寺社に集う貧者たち ―京都で一遍上人に会ってきました①― 

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 22日京都国立博物館の「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」展に行ってきました。目的はズバリ時宗の開祖一遍上人の生涯を死後10年目にあたる1299年に絵師円伊が描いた国宝の「一遍聖絵」です(「一遍上人絵伝」として教科書に載っていたことを覚えておられる方も多いと思います)。
 この絵巻では北は岩手県から南は鹿児島県にいたる、生誕地(愛媛)や遊行地など上人ゆかりの地が登場するのですが、各地の情景が実に精緻かつ正確にしかも旅情あふれるタッチで描かれていることにまずびっくり。たとえば寺社の周辺にたむろする貧者たちの雨除け一つを見ても、掘立小屋(信濃国伴野市)、蓆を片掛けしたもの(相模国片瀬)、車の付いた可動式のもの(四天王寺)など、おそらく実際に見たまま描き分けています。よく見ると死期が迫りすでにカラスに狙われ始めている痩躯の男や顔を白頭巾で隠したハンセン病患者と思しき人も見えます。

by takeshi_yamagen | 2019-05-24 10:52 | 博物館は楽し

東京で縄文に圧倒されて帰ってまいりました

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 先月国会要望後一泊して、東京国立博物館の特別展「縄文」を見学してきました。
 中部地方のコテコテの火焔土器、東北の宇宙人のような遮光器型土偶、さらには顔面ハート型の文字通りハート型土偶と、教科書その他で誰もが一度は目にしたことがある縄文土器の優品がズラリ並ぶ姿にまず圧倒されました。
 またそれらの優品もよかったのですが、控えめに小さく展示されていた赤ん坊の足型・手型の土器に、私は心惹かれました。名も知らない赤ちゃんとはいえ特定の個人を彷彿とさせるほとんど唯一の展示品だったからです。彼ら(彼女ら?)はどんな生涯を送ったのだろうか、もしかしたら生まれてすぐ亡くなったのかもしれないな、だとすればお母さんの悲しみはいかばかりだっただろうか…、展示品の前で過度に感情移入する私の性格がまた出てしまいました。
 私としては、移動生活から定住志向の高度な狩猟採集生活へと移行した縄文1万年のダイナミックな流れが示されてなかったのだけは残念に思えましたが、それを差し引いても一見の価値は十分ある特別展でした(9月2日まで)。
by takeshi_yamagen | 2018-08-11 11:57 | 博物館は楽し

放っとけない仏様ならやまとある ―「春日大社のすべて」展を見学して― 

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 後輩のB君、気がやさしくていい人間なのですが、無趣味なのが玉に傷。周囲から「休みの日にいろいろチャレンジしてごらん」「教養深めなあかんで」とあれこれ指摘され、最後には「せめて一月に一館(博物館、図書館等々)行ってこい」と言われてしまいました。
 いろいろB君に言った手前、「まず隗より始めよ」で、ワタクシも「館」に行かねばと決意して、奈良国立博物「館」で開催された「春日大社のすべて」展を見学してきました。なかなか見ごたえのある特別展だったのですが、私が驚いたのは春日社が大社(神社)と名乗りながら仏教が幅をきかせていること。彫像、絵画のあちこちに仏様は顔を出すのですが神様は遠慮がちにちょこっと鎮座されているだけです。また境内にかつて五重塔まであったことを今回初めて知りました(しかも東西2棟も!)。まさに神仏習合ここに極まれりって感じです。
 すっかり脳みそが仏様に浸かってしまったワタクシ、同じく国立博物館内にある仏像館をおよそ30年ぶりに訪問、さらに勢い余ってお隣の興福寺の国宝館に足を伸ばして阿修羅様と再会、修学旅行の男子中学生と「やっぱり男前は得やななぁ」「そうですね、女の子にモテそうですね」と、恐れ多くも国の宝を前にして下世話な会話を交わしてしまいました。
 以前「したいこと(古都)なら(奈良)やまと(大和)ある」って近鉄電車のキャッチフレーズがありましたが、今日の私はさしずめ「放っとけ(仏)ない仏様なら山とある」といったところだったでしょうか。
 同展は10日(日)までです。お急ぎください。  
 
by takeshi_yamagen | 2018-06-08 21:17 | 博物館は楽し

「あの人たちの目と頭と指先はどう繋がっていたのか」 ―デトロイト美術館展を見て―

 16.9.16
 いよいよ今度の連休あたりから衆議院大阪9区での活動が本格化してきます。
 ということで、昨日午前中は赤旗日曜版の運搬、配達、生活相談の合間を縫って演説の基本となる原稿を作成し、昼から休みを取るつもりだったのですが、結局午前中には終わりませんでした。
 3時前、一段落ついて、居間で少しゴロッと横になっている時、急に思い出したのがデトロイト美術館展。「もう見に行く日はとれないだろう」と思っていたのですが、「まだ間に合う!」と思い直してガバッと起き上がり、閉館1時間前に天王寺の大阪市立美術館に滑り込みました。
 これでもかと言うくらいその生き様が激しい色使いとなって画面に溢れるゴッホの自画像、ぼんやりした輪郭と暖かい光が不思議な立体感を醸し出すルノアールの裸婦像、パラパラ漫画の5ページ分くらいが1枚の絵に凝縮されたピカソのキュービズム、さらにモネ、セザンヌ…、以前彼らの絵を見て「これくらい私も描けるわ」と豪語した御仁が我が家におられましたが、やっぱり無理。彼らは天才です。「あの人たちの目と頭と指先はどう繋がっていたのか」と考えてしまいました。ただモディリアーニの抽象化されたさびしそうなおじさんの顔だけは「僕でも描けるかな」と不遜にも思ってしまいました。わずか1時間でしたが至福の時を過ごした次第(今月25日まで)。
 帰宅後妻から「盗まれた自転車でてきたって警察から電話あったで」と知らされました。昨日はまぁまぁいい日だったようです。

 追伸;私のブログ、FB上の上記投稿を見て高校時代の友人とその家族計5人が見に行かれたとのこと。大阪市立美術館から紹介料いただかなければならないですね(笑)。 

 
by takeshi_yamagen | 2016-09-16 12:58 | 博物館は楽し

双六禁止聖武天皇VSカジノ推進安倍首相 ―第66回正倉院展を訪ねて②―  

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 さて正倉院には双六などの遊具も今に伝わっています。武具ともども仏教の教えにかこつけて収集したらしいのですが、狙いが貴族層の武装解除と風紀粛正にあったのはまず間違いないでしょう。ばくち防止に努めた1,300年前の聖武天皇、かたやばくち(カジノ)を進める現在の安倍首相―、これってやっぱり歴史の逆流では?
 さてマニアックなところでは奈良時代越中国(富山県)にあった東大寺の荘園地図がお勧め。東西2㌔にわたる荘園を描いたこの地図、結構大きい荘園だったんだなぁと思っていましたが、よく見るとほとんどの条里区画に「野」と書かれ、水田は川沿いに少しあるだけです。これから開墾する予定だったんでしょうが、結局どうなったのか、一度現地で実況見分してみたい―、歴史オタクの血が騒ぎます。
 なお正倉院展は奈良国立博物館で明後日12日まで!超お急ぎください。
by takeshi_yamagen | 2014-11-10 19:47 | 博物館は楽し

今も昔も美人の基準は日中共通? ―第66回正倉院展を訪ねて①― 

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 先日時間を見つけてここ数年マイブームになっている正倉院展に行ってきました。
 今年の目玉は教科書でお馴染みの鳥毛立女屏風。本当は6枚あるのだそうですが今回はそのうち4枚が展示されていました(あとの2点は東京国立博物館で展示中)。
 細めの目元に気品漂うふくよかな色白女性、唐の影響は明らかです。当時の東アジアで美人といえばこんなタイプだったんですね。そういえばもう20年以上昔中国で現地の若者と「百恵ちゃん、いいなぁ」なんてしゃべりあったことがあります。美人の基準も日中で同じように変わってきているんでしょうか。宝物にケチをつけるわけではありませんが、この4人の女性、顔の輪郭も大きさも非常によく似ています。もしかしたら原図があってそれをトレースしたのかもしれません。
 また今回は武具も多く展示されていました。ただし弓矢関係ばっかりで甲冑すなわちよろいかぶとがありません。実は私はこれまでも不思議に思っていたのですが、今回の解説書によると本来百両の甲冑が正倉院に保管されていたのですが、764年の藤原仲麻呂の乱の際持ち出されそのまま返ってこなかったとのことでした。なるほどそんな事情があったのですね。
 仲麻呂さんといえば彼の書いた古文書も展示されていました。右上がりの肉厚な文字―、乱の2年前に書かれたもののようですが、彼が結構個性的な人物であったことが伺えます。
 
 
by takeshi_yamagen | 2014-11-10 19:44 | 博物館は楽し

ナウマンゾウ、デッカイゾウ! ―太古の哺乳類展を見て―

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 26日の政府交渉終了後なんとか時間をつくって上野の国立科学博物館で開催されている「太古の哺乳類展 ―日本の化石でたどる進化と絶滅―」に行ってきました。
 今の日本列島の地に生息していた哺乳類化石をずらーと並べたこの特別展、目玉はなんといってもナウマンゾウのオス、メス、子どもの全身骨格標本。3頭並んでいることもさることながら現在のアフリカゾウほどの大きさの巨体から大きく湾曲した牙が眼前に迫る姿はやっぱり迫力があります。
 ところでナウマンゾウやトウヨウゾウ、アケボノゾウなど、なんとなく名前は聞いていて、なんとなく同一系統の親戚筋のゾウかと私は思っていたのですが、さにあらず。530~80万年前にツダンスキーグループのゾウ(ミエゾウ、ハチオウジゾウ、アケボノゾウ)が生息し、比較的短いトウヨウゾウ(50~60年前)の時期を経て、34万年前にナウマンゾウが大陸から渡ってきたのです(2万前に絶滅)。そしてさらにさらにこれらのゾウよりはるか昔(1800~1600年前)にもステゴロフォドン属と呼ばれるゾウの一群もいたとのこと。
 つまり今の日本列島の地にはステゴロフォドン属、ツダンスキーグループ、トウヨウゾウ、ナウマンゾウに北海道のマンモスと少なくとも5系列のゾウたちが大陸と陸続きになった時に渡ってきてたってわけです。
 また恐竜時代(中生代)のネズミみたいなちっちゃいやつらの化石が近年石川県などで発見されていることも今回初めて知りました。恐竜たちの間をちょこまかはい回りながら赤ちゃんにおっぱいあげてた僕ら哺乳類の御先祖様―、そんな彼らの小さな骨片を見つめていると、なんともいじらしくて尊敬の念すら湧いてきました。思わず合掌。
 一見の価値ありの特別展、10月5日までです。
by takeshi_yamagen | 2014-08-28 08:05 | 博物館は楽し

日本共産党 大阪・池田市会議員  山元たけしの日々の活動を綴ります


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